人生変えたいなら焼き芋になれ

こう言ってはなんだけど、世間で成功している奴は大抵芋だ。焼き芋だ。もちろんお前らも芋なんだけど、まだ焼けてない。当然だ、焼く石がないんだからただの芋が焼き芋になるわけがない。そんな芋どもはいっつも言うんだ、焼き芋になりてぇ！って。カゴの中で生のまま言うんだよ。焼き芋になりてぇ！って。

こう言ってはなんだけど、大抵重要なのは芋じゃないんだよ。芋を焼く熱々の石だ。どんだけ芋が上等だろうとも熱々の石がなけりゃただの芋だ。生の芋なんて戦時中でもなけりゃ食えたもんじゃない粗品だ。その点でいえば成功した焼き芋も底辺の生芋も対して変わらない。ただ焼けてるかどうかの違いでしかない。

皆スパイダーマンって知ってる？特殊なクモに噛まれてクモパワー抜群のヒーローになる奴。他にはパワーレンジャーって知ってる？今上映真っ盛りで不思議な石を拾った学生がヒーローになる奴。まぁ大抵こういった物語は展開が決まってるんだ。平凡な一般人が居て、突然すごいパワーを手に入れて、そのパワーにウキウキして、ついでに悪い奴が蘇って、手に入れた力に苦悩しつつ勝つ。どんな物語でも大抵こうだ。芋が自分で焼き芋になる物語は存在しない。みんなみーんなすごいのは芋じゃなくて、芋を焼き上げるどっかかやってきた石だ。芋は焼かれてるだけなんだよ。すごいのは芋じゃない。

人生変えたい、なんとかしたいって奴は大抵勘違いしてるんだ。自分でなんとかしなけりゃとか、自分で努力しなけりゃとかな。けどそんなのは間違いも間違い。自分で努力するなんてのは最初も最初、熱々の石ころを探すだけ。よく環境が変われば人も変わるって言うだろ？あれっていい環境ならやる気が出るとかじゃないんだよ。どうしようもない抗えない環境で無理やり変わるんだ、焼かれる芋みたいにな。

変わりたいなら、そういうどうしようもない環境を探すだけでいい。ある意味これは地獄だ。選んだ後は後戻りできない。まるで借金地獄でどうしようもないって苦悩するのとおんなじだ。物語でも大抵そうだろ？すごい力は手に入れるけど、大抵その力のせいで苦悩や葛藤が混ざるんだ。やれ殺す覚悟だ、やれ正義は何だとかな。芋が無理やり焼かれてるんだから苦しいのは当たり前だよな。傍から見たら成功した美味そうな芋でも、芋からしたら焼き殺されたようなもんだ。楽しい訳がない。

いいか、芋が芋でいられるのはすごい楽なことなんだ。自分で選べて逃げれるからな。よく会社の重役がストレスで病気まみれのハゲ散らかしとか聞くだろ。あれが焼かれた芋だ。俺も焼かれればって考えないでいつの間にか焼け焦げる芋だ。逃げる事もできなくなってストレスで死ぬか自殺するかの焼き芋だ。無茶苦茶恐ろしいわ！熱々の石を選べば焼き芋になれるよ。けど自分の意思に関係無く焼かれ続けるのはすげー辛いと思うよ。焼き芋ができて喜ぶのは芋じゃない、芋を食うやつだ。